厚化粧とショートカット

写真に残された彼女の姿を目にした事のある人は、彼女の迷いのないような表 情に惹かれることだろう。自分が自分であるという事が、尊いことであるとい う事を自負する誇り高き姿だ。

1917年シャネル34歳の時、彼女のトレードマークである短い髪、ショートカッ トのシャネルが生まれる。その時代、最先端を行く女性たちは、髪を切り始め たが、シャネルはその中でも目を引いた。その時代の少し前に流行っていた女 性と真逆を行くからであろう。前世紀にもてはやされていた、女性たちの豊満 な美からはほど遠かったが、ボーイッシュな洗練された女性としてのシャネル がそこに存在していた。

特に晩年ではあるが、彼女は厚化粧を施すようになる。その露骨な厚化粧にも 彼女なりの信念が隠されていた。「他の人のためにメイクをするのではなく、 自分のために、自分でがあるためにメイクはある」という信念を持ち続けまし た。今の自分にふさわしいメイクを、自分の気持ちが高鳴るためにメイクをす るのだという信念から彼女の特有な厚化粧は生まれた。有名なシャネルの赤の リップは、彼女の意図するまま現代を生きる女性たちの心も高鳴らせている。 シャネルの赤リップは、シャネルの買取り商品の中でも、リーズナブルではあ るがロングランな人気を誇っている。

シャネル自身がブランドの広告塔であった為、体型維持、美貌の維持はビジネ スの上でも必要不可欠なことであった。その事を、重々承知していた彼女は、 努力を惜しまなかった。ストイックにひそやかに努力に勤しんだ姿は、彼女の 姿を納める貴重な写真などの資料からも伺い知ることができる。 そんな彼女のライフスタイルから生まれた「美」こそが、偉業となり、また間 違いなく、その隠された努力の上に成り立っているのだということを考えさせ られる。